不動産投資でサラリーマンの節税は実現可能?仕組みや年収別の効果を徹底解説

2024.04.02
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不動産投資でサラリーマンの節税は実現可能?仕組みや年収別の効果を徹底解説

不動産投資と聞くと、多くのサラリーマンは副収入を得るチャンスとして注目するかもしれませんが、それに加えて節税のメリットも期待できるとご存知でしょうか?

節税を目的に不動産投資を考えている方や、そもそも不動産投資で本当に節税効果があるのか疑問に思っている方もいるでしょう。実は、不動産投資には、サラリーマンが利用できる節税の一面も含まれています。

この記事では、サラリーマンが不動産投資を通じて節税するメカニズムと、その効果を最大化する方法について解説します。

サラリーマンでも不動産投資で節税はできる

サラリーマンでも不動産投資を通じて節税を実現することは可能です。不動産投資による節税は、特に給与所得が高い人に適しており、この投資戦略を利用することで、税金の負担を軽減できます。

不動産投資をすることで得られる賃貸収入から、管理費や修繕費などの必要経費を差し引き、最終的に赤字となることで所得を圧縮し、納めるべき税金を減らすことが可能です。

賃貸物件からの収入に対してかかる経費や減価償却費を活用し、赤字を計上することにより、給与所得との相殺を行うことで、総所得額を減らすことができます。この方法により、実質的に税金の負担を減らすことが可能となります。

不動産投資による節税の鍵は、認められる経費を適切に計上し、所得を減らすこと。特に、年収1,200万円を超える高額な給与所得者は、不動産投資による節税効果を最大限に活用することができるでしょう。

不動産投資で節税できる仕組み

不動産投資を始める際は、税金の基礎知識が求められます。所得税や住民税の計算方法や減価償却費についての理解が必要です。この知識を持つことで、不動産投資が税金にどう影響を及ぼすのかを把握し、賢い投資判断が可能になります。

減価償却費とは?サラリーマンの節税にどう活かすか

減価償却費は不動産投資における節税の重要な要素です。この経費は、実際の現金支出が伴わないにも関わらず、会計上の利益を減少させることで税負担を軽減します。

具体的には、不動産の建物部分の価値が時間とともに減少することを想定し、その減少分を経費として計上することができます。例えば、建物価格が5,000万円で減価償却期間が5年の場合、年間1,000万円を経費として計上でき、これにより納税額が減少します。

この方法の利点は、減価償却費により会計上の赤字を作り出し、その赤字を給与収入と合わせて全体の課税対象額を減らせる点です。実際にはお金を使っていないので、手元の資金を減らすことなく税負担を少なくできます。

この節税戦略は、税法上完全に認められた合法的な方法であり、特に給与所得が高いサラリーマンにとって、資産形成と節税を同時に進める有効な手段です。減価償却費を活用することで、不動産投資をさらに魅力的なものに変えることができるのです。

損益通算を利用した節税戦略

不動産投資から生じる赤字を給与所得と相殺して全体の課税所得を減らす、損益通算を使った節税戦略は、サラリーマンにとって非常に魅力的な特典の一つです。所得税法で認められているこの方法を上手く使うことで、実際の税の負担を軽くすることが可能です。

具体例を挙げると、700万円の給与所得者が年間500万円の家賃収入と600万円の経費(含む減価償却費)で100万円の不動産所得赤字を計上した場合、損益通算によりその年の所得を600万円に減らすことができます。この方法により、全体の課税対象額を小さくし、税金の負担を減らすことが可能です。

不動産投資と損益通算を活用する節税戦略は、給与所得者にとって有効な方法です。適切に計画し実行することで、税負担を軽減しつつ、長期的な資産形成に貢献することができるでしょう。

年収別・不動産投資による節税効果

年収に応じて、不動産投資を通じた節税効果は異なる影響をもたらします。一般的に、年収が高いほど税率が上昇し、節税メリットも増加します。ここでは、異なる年収層での不動産投資による節税効果について詳しく見ていきましょう。

年収1,200万円を超える高所得者が期待できる節税効果

年収1,200万円を超えるような高所得者にとって、不動産投資は節税に非常に効果的な手段となります。特に、課税所得が900万円を超えた場合、所得税率が23%から33%へと大きく跳ね上がるため、節税の影響はより顕著になります。

課税される所得金額

税率

控除額

1,000円 から 1,949,000円まで

5%

0円

1,950,000円 から 3,299,000円まで

10%

97,500円

3,300,000円 から 6,949,000円まで

20%

427,500円

6,950,000円 から 8,999,000円まで

23%

636,000円

9,000,000円 から 17,999,000円まで

33%

1,536,000円

18,000,000円 から 39,999,000円まで

40%

2,796,000円

40,000,000円 以上

45%

4,796,000円

出典:国税庁 所得税の税率

年収1,200万円以上の方は、不動産投資を通じて節税のメリットを大きく享受できます。この節税効果は、特に所得税率と住民税率の適用を考慮した場合に顕著です。高所得者は、所得税率が課税所得の増加に伴って上昇するため、減価償却費を経費として計上することで、節税効果を大きく実感できるのです。

所得が高い方ほど、減価償却費による節税効果はより一層明らかになります。例えば、給与所得が900万円を超えると、所得税率は33%に跳ね上がります。この境界を越えた所得であれば、減価償却費を活用することによる節税の恩恵は格段に増加します。

このような節税戦略を理解し、上手に活用することで、高所得者は自身の税負担を効率的に軽減することが可能です。不動産投資による減価償却費の計上は、ただの節税手段ではなく、賢い資産管理の一環とも言えるでしょう。

年収1,200万円以下のサラリーマンが考慮すべき節税以外のメリット

年収900万円以下のサラリーマンにとって、不動産投資は節税よりも収益性や将来にわたる資産形成に焦点を置くべきです。この収入レベルでは節税効果は限られているため、投資のリスクと潜在的な節税メリットを慎重に天秤にかけることが求められます。ここでの鍵は、高い収益をもたらす物件の選定です。これにより、安定した収入源として不動産投資の価値を最大化することが目指せます。

900万円以下の課税所得を有する場合でも、不動産投資から得られる税務上の利点を享受する方法はあります。特に、青色申告を用いた場合、最大65万円の特別控除を受けることが可能です。この控除は、不動産投資が事業的な規模に達する場合に利用でき、不動産所得に対する節税に役立ちます。このような控除を積極的に利用することで、不動産投資の収益性をさらに高めることができるでしょう。

節税において物件選びが重要な理由

物件選択は、不動産投資の節税効果に大きく影響します。特に、投資物件の種別が節税の成果を左右するため、適切な物件の選定が不可欠です。ここでは、物件選びが節税において重要である二つの主要な理由を解説します。

節税効果を左右する建物の構造

節税効果に大きく影響を与える重要な要素の一つが建物の構造です。建物はその構造によって法定耐用年数が異なり、これが減価償却費の計算に直結します。

建物(店舗用・住宅用)の構造

耐用年数

木造

22年

軽量鉄骨造(骨格材肉厚が3mm以下)

19年

軽量鉄骨造(骨格材肉厚が3mm~4mm)

27年

重量鉄骨造(骨格材肉厚が4mm超)

34年

鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造

47年

出典:【確定申告書等作成コーナー】-耐用年数(建物/建物附属設備)

特に木造や軽量鉄骨造の物件では、他の構造物に比べて劣化が速く、耐用年数も短めです。このため、年間に計上できる減価償却費が大きくなり、経費としての申告額を増やすことが可能になります。このような短い耐用年数を持つ建物を選ぶことにより、全体の所得を効果的に抑え、節税のメリットを最大限に享受できます。

この点から、節税を意識した不動産投資を検討する際には、建物の構造の選択が極めて重要です。木造や軽量鉄骨造のように耐用年数が短い物件は、節税上の効果を高めるために特に魅力的な選択肢と言えます。不動産投資での節税効果を極めて高めたい場合には、建物の構造や耐用年数を考慮した選択が肝心です。

築年数と節税効果の関係

不動産投資での物件選びが節税効果に大きな影響を与える主な理由は、建物の構造とその築年数にあります。建物の構造に応じて定められた耐用年数は、減価償却費の計算に直接関係しており、築年数と合わせて、減価償却費の計上期間が決まります。

物件の購入価格を耐用年数で割ることで、年ごとの減価償却費が求められます。たとえば、2,200万円で購入した新築の木造物件が耐用年数22年であれば、毎年100万円が減価償却費として計上可能になります。この費用は経費として扱われるため、現金の支出は伴わないものの、節税に繋がります。

築年数が耐用年数を上回る場合、減価償却の計上期間も変わってきます。例えば、築24年の木造建物は「法定耐用年数22年×0.2=4年」で計算され、鉄筋コンクリート造の建物では、「(法定耐用年数47年 - 築年数24年)+ 築年数×0.2=27年」が計上期間となります。このように、建物の構造と築年数によって、減価償却費の計上期間が変わり、節税効果にも影響が出ます。

これらの事実から、不動産投資においては、建物の構造と築年数を踏まえた慎重な物件選びが、節税戦略において非常に重要な要素となります。

不動産投資の節税における主な注意点

不動産投資における節税は、賢い資産運用戦略の一つです。しかし、この方法を最大限に活用するためには、いくつかの重要な注意点を理解し、遵守する必要があります。節税を進める前にこれらのポイントを把握しておくことが重要です。

確定申告を忘れてはいけない

サラリーマンが給与以外の収入で年間20万円を超える場合、その収入には不動産投資からの所得も含まれ、確定申告が必要になります。不動産投資から得た利益は、給与所得と合わせて課税されますが、投資で損失が発生した場合は、その損失を給与所得から引くことができる点が特徴です。ただし、このような損益通算を適用するためには、正確な確定申告が必須条件となります。

確定申告を怠った場合、未納の税金に対して延滞税が課されるほか、無申告加算税の対象となるリスクがあります。したがって、不動産投資を通じて収入があった場合には、確定申告の義務をしっかりと理解し、適切な手続きを踏むことが重要です。正しい確定申告を行うことで、税務上の問題を避け、投資に関する損益を適正に処理することができます。

節税目的で不動産投資を行うのは危険

不動産投資を通じた節税は、確かに経費の適切な計上を通して得られるメリットの一つですが、節税を主な目的に不動産投資を行うことは推奨されません。

節税効果を追求する戦略は、しばしば運用の損失を前提としています。このような状況が長期に渡って続くと、資産管理の健全性に関して疑問が持たれることになります。加えて、連続して赤字が出る場合、投資家としての信頼性が損なわれ、将来的な事業拡大を目指す際に必要となる融資の獲得が難しくなる可能性があります。

そのため、不動産投資は、一つの事業活動として捉え、節税効果はその副次的な利益と考えるべきです。賢明な不動産投資は、収益性を主眼に置き、節税はそのプラスアルファのメリットとして捉えることが重要です。

減価償却期間に気を付ける

不動産投資における減価償却は、節税戦略の重要な要素ですが、その計算には気を付けましょう。この期間は、物件の構造によって定められており、不動産の価値を経年変化に応じて減少させることを目的としています。

不適切な減価償却期間の設定は、税務上の問題を引き起こす可能性があるため、投資物件ごとの正確な耐用年数を理解し、適切に計算を行うことが必須です。

節税だけではない!不動産投資のサラリーマンにとってのその他のメリット

不動産投資は節税だけが魅力ではありません。経済的な安定や資産の増加など、さまざまな追加のメリットを提供します。この章では、不動産投資がいかにしてサラリーマンの財務状況を改善し、ただの節税を越えた価値をもたらすかを紹介します。

収入の多角化と安定性

不動産投資がサラリーマンにとって大きな魅力を持つ一因は、収入源の多角化とその安定性にあります。給与だけでなく、賃貸物件からの定期収入を得ることで、経済的安定を図ることができます。

不測の事態や市場の変動による収入減少があっても、複数の収入源を持つことで、その影響を緩和しやすくなります。さらに、収入の多角化はリスクを分散させる効果もあり、一つの収入源に問題が発生しても他の収入源でカバーできるため、長期にわたる経済的安定を確保することが可能になります。

このように、不動産投資は単に資産を増やす手段だけでなく、収入の柱を増やして経済的リスクに対する耐性を高める有効な戦略と言えるでしょう。

不動産投資の副収入で実現する資産形成

不動産投資からの副収入は、ただの追加的な収益源というだけでなく、資産を形成する強力な手段になり得ます。賃貸からの収入をローンの返済にあてることによって、時間が経つにつれて物件の完全な所有権を獲得することが可能になり、これは資産価値の向上に直接つながります。

さらに、不動産市場が好調な時には物件の価値が上昇し、その結果として売却時に利益を得ることも見込めます。このように、不動産投資を介して得られる副収入を賢く活用することで、長期的に資産を構築していくことができるのです。

まとめ

不動産投資は、節税効果だけでなく、サラリーマンにとって多くの追加メリットをもたらします。収入の多角化、経済的安定性の向上、そして資産形成への寄与は、その主な利点です。

このように、不動産投資は節税以上のメリットを持ちますが、成功するためには慎重な計画と専門家のアドバイスが必要です。節税だけを目的とせず、ワンストップサービスを提供する不動産会社に相談することが賢明です。

投資判断は最終的に自己責任で行うものですが、興味がある場合は積極的に専門家に相談して、自分に合った最適な投資戦略を見つけることが望ましいでしょう。

不動産投資が節税に直結するとは限らないため、プロフェッショナルのサポートを得て、賢い投資判断を行うことが重要です。

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五藤智典
株式会社不動産SHOPナカジツ Nagoya Lounge 支店長

1992年 愛知県生まれ 県立旭丘高校→神戸大学卒
2016年 (株)不動産SHOPナカジツ入社
〜2020年3月 大名古屋ビルヂング店
〜2021年5月 名古屋昭和店
名古屋駅前の店舗・高級住宅地である昭和区の店舗にて、
実需不動産のコンサルティング営業として200件以上の不動産売買に携わる。
「リアルな土地相場」「業者間のネットワーク」「不動産の実務ノウハウ」に関しての豊富な知識と経験を基に、安心安全な不動産取引を第一としている。

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